様々なきっかけから、子どものメガネを検討されている方がいらっしゃると思います。
初めての場合、どのように対処をするべきか悩まれる親御さんも多いのではないでしょうか。
実際、私が勤務しているメガネ店にも初めて子どものメガネを検討している親御さんが毎日のように来店されます。しかし、中学生以下の方には必ず眼科を受診するようにおすすめしています。初めて子どものメガネを購入する際には、眼科の受診が必須だからです。
この記事では、業界歴10年以上、延べ1万人以上のお客様のメガネ販売に携わってきた現役メガネ販売員の筆者がはじめての「子どもメガネ」購入と、眼科受診の重要性について解説します。
情報の8割以上は目から入ってくると言われています。勉強などをより効率的に理解させるためにも、子どもの視力低下に対して正しく対処できるようにしましょう。
はじめての『子どもメガネ』まずは眼科を受診しよう
メガネが必要とされる視力は?
学校の視力測定~評価の基準~
学校の視力測定ではA~Dの4段階で評価されます。
一般に「B~D」の場合は、眼科受診が必要とされています。
評価 | 視力 | 見え方の目安 |
A | 1.0以上 | 1番後ろの席からも黒板の文字がよく見える。 |
B | 0.9~0.7 | 後ろの方の席からも黒板の文字はほとんど読めるが、近視の始まりの可能性がある。 |
C | 0.6~0.3 | 後ろの方の席からは黒板の文字が見えづらい。 |
D | 0.3未満 | 前の方の席でも黒板の見え方が不十分。 |
眼科を受診するべき理由
視力低下の理由を調べる
一般に子どもの視力低下といえば、近視をイメージされる方が多いと思います。しかし実際には、下記のように様々な原因が考えられます。
- 遠視や乱視などの「屈折異常」
- 仮性近視など、ピント調節が上手くいかない「調節異常」
- 斜視や斜位
- 角膜・水晶体・網膜などにおける様々な眼疾患 ,etc.
視力低下の原因によって、対処の仕方は様々です。必ずしもメガネで解決すべきとは限りませんので、眼科を受診して視力低下の理由をしっかりと見極めることが大切なのです。
また、9歳未満の小児の治療用眼鏡の購入については、健康保険が適用されます。
正確で適切な度数設定
眼科受診の結果、メガネを作ることになった場合は必ず「処方箋」を発行してもらうようにしましょう。よく見えるメガネが、必ずしも適切な度数とは限りません。検査の結果得られた目の状態に加え、生活スタイルや使用目的など様々な情報をメガネの度数に反映させることで、より正確で適切な度数となるからです。
最初からメガネ店で視力測定するのはNG
メガネ店での視力測定では、点眼(目薬)を使うことができない為、子どもの視力測定は困難とされています。
眼科では、必要に応じて点眼(目薬)を使って検査・視力測定を行います。大人と違い、子どもはピント調整するための「調節力」といわれる力が強く、検査中にそれが過剰に働いてしまうことで度数が実際よりも強く出てしまうことがあります。点眼(目薬)を使って一時的に「調節力」を麻痺させることにより、正確な検査が可能になります。
メガネ店の選び方
保証の充実している
子どもは成長過程ということもあり、必要な度数が変わりやすいものです。お子さんによっては、半年に1回程度レンズ交換が必要な場合もあります。大切なお子様のためとはいえ、出費を抑えるに越したことはないと思います。メガネ店によっては、子ども向けの保証制度を設けている場合がありますので、購入前に必ず確認しておくようにしてください。また、レンズの傷やフレームの破損にも対応していることを併せて確認しておきましょう。
専門スタッフが在籍している
眼科受診して処方箋を発行してもらえば、度数に関しては安心です。しかし、メガネ購入において大切な要素は度数だけではありません。実際にお店でメガネを購入する際には、フレームやレンズ選びなども大切です。より専門性が高く、信頼のおけるお店を選ぶようにしましょう。
お店を探す際は、「認定眼鏡士のいるお店」がおすすめです。
通いやすい近所のお店
子どものメガネには使用中のトラブルも付き物です。友達とぶつかってフレームが変形してしまったり、レンズが脱落してしまうこともあります。何かあったときに、すぐに行ける距離の通いやすいお店を選ぶことも大切です。
購入後について
装用方法
授業中だけ掛けるのか、常に掛けておくべきなのかなど、必ず眼科に確認しておきましょう。
適切な装用方法は、目の状態や使用目的・度数の程度などによって人それぞれです。適切な装用方法を守らないことで、度数を進行させてしまうことも考えられます。
メガネの取り扱いで大切なこと
- 掛け外しは両手で正面から行う。
- 持ち運ぶときはケースに入れる。
- テーブルなどに置くときはレンズが固いところに当たらないようにする。
- から拭きせず、水洗いする。
- タオルなどで拭かず、専用のメガネ拭きを使う。
ここで挙げた項目は主に、型崩れやレンズの傷を予防するためです。この他、取り扱いにおいて大切なことはたくさんありますので、お店で詳しく教えてもらったり、購入の際についてくる取扱説明書をしっかりと読むようにしましょう。
アフターメンテナンス
販売店によって考え方は様々ですが、一般的に子どものメガネは1か月に1回程度はアフターメンテナンスが必要とされています。メガネは使っているうちに、幅が広がってしまったりネジが緩んでしまうことがありますが、そのまま使っているとメガネがずれ下がるなどして見え方などにも影響が出てしまいます。定期的にお店で手直しをしてもらうことで、正しい掛け位置で使用することができます。
定期的に買い替え・レンズ交換
メガネ購入後も、子どもの視力やメガネの状態には気を配るようにしましょう。
大人と比べて子どもの視力は変わりやすく、必要な度数も変化していきます。眼科を数か月に1回程度は、定期受診するようにしましょう。また、学校健診の結果や、目を細めるようになってきていないかなどお子さんの様子にも気を配るようにしてください。
フレームに関しては、体の成長に合わせてサイズを選ぶことが大切です。サイズが小さくなったメガネは、こめかみの部分を強く抑えてしまいストレスにつながったり、耳に上手く掛からず顔からずれ落ちやすくなってしまいます。個人差もありますが、1~2年に1回は、買い替えを検討したいところです。
まとめ
子どものメガネを検討する際は、必ず眼科受診をするようにしましょう。
一番の理由は、「視力低下の理由を調べる」ことと、「正確で適切な度数設定」を行うためです。
情報の8割以上は目から入ってくると言われています。勉強などをより効率的に理解させるためにも、子どもの視力低下に対して正しく対処できるようにしましょう。
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