メガネやサングラスを購入したことがある方、これから購入したい方であれば「調光サングラス」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。また、これまで聞いたことの無かった方でも、外に出るとレンズの色が濃くなるサングラスをかけている人を見たことがあるかもしれません。
「調光サングラス」とは、紫外線などの光によってレンズの色の濃さが変わるサングラスです。外出の時に掛け外しの手間が無くなるなど非常に便利なサングラスですが、車の中では色が変わらないものがあるなど、商品選びや取扱いには様々な注意点もあります。
また、名前の似ている「偏光サングラス」と混同されてしまうことも多く、「調光サングラス」を購入する場合には、レンズの特徴を事前にしっかりと理解しておくことが大切です。
この記事では、業界歴10年以上、延べ1万人以上のお客様のメガネ販売に携わってきた現役メガネ販売員の筆者が「調光サングラス」の仕組みや選び方について解説します。
「調光サングラス」はとても便利で、生活の質を向上させてくれる非常に優秀なアイテムです。レンズの特徴を理解した上で、自分にピッタリな一本を購入し、快適なサングラスライフを送りましょう。
調光サングラスとは
「調光サングラス」とは、紫外線などの光によってレンズの色の濃さが変わるサングラスです。
調光サングラスの仕組み
「調光サングラス」には、フォトクロミックレンズと呼ばれる特殊なレンズが使用されています。
フォトクロミックとは、紫外線(UV)の照射・遮蔽により着色・褪色を繰り返すことのできる現象を意味します。ガラスレンズにはハロゲン化銀系の無機物質、プラスチックレンズにはスピロオキサジン系・クロメン系・フルキド系などの様々な有機フォトクロミック物質が使用されており、ガラスレンズは熱処理によりフォトクロミック性能を付加します。また、プラスチックレンズにおいてはレンズ表面のコート膜や材料に練りこんだり、レンズ表面に染着させる方法などが採用されています。
「調光サングラス」と「偏光サングラス」の違い
調光サングラスのメリット
1本で2役(メガネとサングラス)
メガネとサングラスを掛け替える手間がなく、ストレスフリーなアイテムです。
紫外線(UV)から目を守る
ほとんどの「調光サングラス」は、レンズが透明(クリア)の状態でも、紫外線を99%以上カットしています。
度付きにもできる
「調光サングラス」は、度付きで作ることも可能です。
近視・遠視・乱視・老眼などで普段からメガネをかけている方ならば、度付きサングラスの購入を検討したことがあるのではないでしょうか。市販の度なしサングラスを掛けるためには、見づらい状態で我慢するかコンタクトレンズを着けたうえでサングラスを掛ける必要があるなど、不便なことも多いはずです。メガネユーザーの方にとっても、度付きの「調光サングラス」は非常に便利なアイテムです。
調光サングラスについて
寿命
使用頻度などにもよりますが、調光レンズとしての性能の寿命は2年程度とされています。
寿命の時期となれば一番薄い色でもなく、一番濃い色でもなく丁度中間の色に落ち着き、色の変化が徐々に起きにくくなっていきます。
使用環境・気温
色の変化は、気温と紫外線量などの影響を受けます。
一般に、気温が低く紫外線が強い環境で、色が最も濃くなります。気温が高いほど色の変化が抑えられるため、冬よりも夏の方が色が薄くなる傾向にあります。
色の変化時間
気温や紫外線の量にもよりますが、室内から屋外に出た場合、数十秒程度でクリアな状態から濃い色に変化します。一方、屋外から室内に入った場合は、濃いカラーからクリアな状態に変化するのに数分程度の時間を要します。
クリア→カラー | 数十秒程度 |
カラー→クリア | 数分程度 |
車の運転
車の運転の際、フロントガラスに紫外線(UV)カットの加工が施されている場合、「調光サングラス」の色の変化が起こらない場合があります。車の運転を目的として「調光サングラス」を購入する場合は、紫外線に反応して色が変化するものではなく、[可視光線]に反応して色が変化するものを選択する必要があります。
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